「“ヤマタノオロチ”の舞台となった神話の山なんだって!」という言葉が決め手になり、船通山に。登山口から鳥上滝コースに入る。木々が多く、川のせせらぎも聞こえて心癒やされる。登山道は整備され歩きやすいが、急登あり、階段あり、初心者にとっては決して楽な道のりではない。途中滝を見たり、落ち葉を拾ったり、キンポウゲ、サンインシロカネソウなどの山野草に励まされながら、自分のペースでのんびり歩くこと1時間半、深い木々の間から視界が急に開けた。頂上は360度のパノラマが楽しめ、晴天だったこともあり大山や三瓶山、遠くは宍道湖まで見渡すことができた。スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治したときに「天叢雲剣」がオロチの尾から出たことを記す碑を見ながら、しばし目を閉じ神話の世界に思いを馳せる。頂上で食べるおにぎりの美味しさといったら! 頂上から鳥取県日南町側に100m下ると、樹齢2000年といわれるイチイの大木が姿を現した。厳しい自然環境の中で、まっすぐではなく、横に伸びているのも趣深い。日南町側の健脚コースから登ると天狗岩や金明水などを見ることができるらしい。「次は反対コースから登ろうね」と約束して山をおりた。